先代のカレ

c0117239_13385057.jpgウチのカレは外面がよい。
既にご承知の方もおいででしょうが。
予防注射。平気。
ワクチンの時も、狂犬病の時も
その前にアレルギー抑制剤をぷすっとやられるのだがそれも平気。
ウンでもなければスンでもない。
まことにおとなしい。
待ってるあいだもおとなしい。
しばらく震えているけれど、
誰もいない待合室ではけっこう
リラックスしてますな。

んで、注射の時は若いお姉さん(大好き)に
ガッチリホールドされてなすすべ無し。
しもべぇたちに対する態度と違いすぎて、
少々むかつく。

燠という名のこの短足トイプーは、炭のごとく漆黒な上にちろりと舌だけが赤かったこと。
テンション上がると思わぬパワーを発揮するんで、真っ赤に燠った炭を連想させること。
から命名された。なんか、本名っぽいのもあるらしい。バルザックなんちゃらとかいう長ったらしい名前も一応あるようだ。どっかにやってしまったからどうでも良い。
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このカレの前にも実は先代がいた。
起きたらうるさいから おきたと名づけられた。
あまりにテキトーなこの名前は、
でもとてもお気に入りだった。
おきた君と呼ばれ、
皆から愛される気の良いヤツだった。
嫌なことをされても、大抵大目に見てくれた。
ハリハリと呼ばれるダイコンのおつけものと
柿の好きなヤツだった。

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こっちでは、冬になると小学校の校庭に
ブルドーザーで雪山が作られる。
一年生はここでスキー学習だ。
放課後はもちろん橇遊びができる。
先代は散歩も、外遊びも大好きなヤツ。
この校庭の雪山で無理やり橇につきあわされた。
ネイチャーな環境に移ってからは、
山で橇につきあわされた。
楽しかったかどうかはわからないが、こっちは、ずいぶん笑わせてもらった。
斜面の途中で大抵橇ごとひっくり返り、背中滑りでおちてくる。
と、嬉しそうに飛びついて馬乗りになって舐めに来る。

夜中に散歩に出ると、キタキツネと遭遇したり、春先に山まで散歩すると鶯がほんの先で鳴いていたり。いまでも、度々友人が思い出話につきあってくれる。

狂犬病の注射も全く平気。押さえつけるでもなく首筋にちゃっと注射してもらったものだ。
当時は、今のように注射の申し込み票が印字されて送られてくるわけではない。
ペットクリニックで注射してもらうわけでもない。
公園や町内会館の庭のようなところで、何月何日予防注射、という告知がでる。一番近い公園を選んで出かけていく。獣医さんと、受付嬢。たぶん獣医学部の学生数名がお手伝い。

散歩ついでに、寄ってくるわけだ。まず受付。
受付票に飼い主と先代の名前を書いて受付嬢に渡す。
受付嬢がにこやかな中に不審気な表情を漂わせながら、料金を精算。
しかる後に獣医さんがぷすっとやって、おしまい。今年も楽勝だ。
その間に鑑札とか証明書を受付嬢が用意しておいてくれる。
鑑札もらって帰りましょ。
と、証明書をふと見ると。

雑種 オス  犬名   おまた

おまた。え。なんで。受付嬢を見上げると、ぽっとほおを染めている。
あぁそれで、不審気な顔つきだったですか。それはそれは。
達筆すぎたいけないワタシ。急いで書いたから、きが ま によめたんだね。ラジャー。

って、そんな名前にするヤツいると思う?

狂犬病の注射を打つ時期になると、ふと思い出してしまう。
知らぬ間に口元が笑みこぼれてしまう。
んが、思い出すたびに、やっぱり腹も立つのだった。受付嬢を恨んでも仕方ないけど。
先代が侮辱されたような気がしてならないのだった。ご本人には教えなかったけどさ。

by urankkkao-ji | 2007-05-21 15:04 | ウチのカレ  

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