シルク・ドゥ・ソレイユは想い出の中に

先月頃、ほぼ日糸井ダーリンも大絶賛のカナダ、ケベック州はモントリオールの
シルク・ドゥ・ソレイユ(太陽のサーカス)が日本にやってきた。

文化の極北では、到底見られない・・・と切ない思いをしておりました。
しておりましたところ。

雨漏りの発覚したうちんち。2階和室の壁やら襖やら畳やらを張りかえることになった。
夕べ遅くまでかかって、箪笥の上やら、本棚の上やらを整理したり掃除機をかけたり。

20代で建てたこの家は、既に築23年。
その間、外回りも内装もたいした手をかけていなかったツケがいっぺんに来たのだ。
おまけに、真っ暗森の住人はことさら掃除ができない。
魔窟状態も見て見ぬふり。そのツケもいっぺんに来た。

なんぼかリカバって神々が降臨してくれたおかげで、リビングやパソルーム等は、
どうにか、人の住める状態になった。
んがっ。2階はまたあとで~と降臨した神々は去ってしまわれたわけですよ。

んでも、さすがに雨漏りは困るざんす。
これから、屋根にドカドカと雪が積もるわけですのでね。
それらが、春先に怒濤のように流れ込むわけですのでね。

うちんちだけ、水害状態で床上浸水になることまつがい無し!なわけで。
で、仕方なしなし片付けていたわけです。

すると。

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おんや~。
こ、これは。
ひょっとして・・・

シルク・ドゥ・ソレイユの
パンフレットじゃないの。

ええ~っ。


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たしかに~。ファシナシオン(魅惑)というタイトルがはっきりと。

ああ。そうだった。まだ幼い漢子を連れて。脳梗塞で失語症になった父の気晴らしになるかと。
夏の盛りに出かけていったのだった。

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真駒内アイスアリーナ。
札幌オリンピックの時にスケートやホッケーの競技場として建てられた
オサレな建物。今も真駒内公園や屋外競技場(ここには米コメのライブで通ったなぁ)の
側近くで、さまざまなイベントが行われている。

失語症でも最重度の全失語だった父。
左側頭葉にあるブローカー領域とウェルニッケ領域(言語を司る領域)とが、
ものの見事にやられてしまっていたので、
話すことは愚か、聞くことも、書くことも、読むことも難しかった。

幼い漢子を相手にカルタや絵本でリハビリをしたり、
退院後の病院通いは週に4回。
待ち時間の長い病院に、まだやっとお話しができるくらいの漢子と一緒に
診察だ、リハビリだと通い続けたのだ。

なるべく楽しい機会を作って、コミュニケーションのとれない切なさを、
互いに解消しようといろいろなところに出かけて行ったのだ。

左側がやられると、麻痺は右に出るのが一般的だ。
幸運にも、父の麻痺は軽度で家の中なら杖無しでも歩行可能。
右手も箸を使って食事できる程、本当に軽度の麻痺ではあったのだ。
けれど、それは端から見ればのはなし。

本人にしてみれば、軽度であろうが麻痺は麻痺。
以前のようには動かない右手右足に、イライラする日々だったのだろうと思う。
もとに戻ろうと必死にリハビリに邁進し、
頑張れば、きっと失語症も麻痺も。
治ると信じていたようだった。

外側からは、少々足の不自由な年配の人。でしかないが、
病院で名前を呼ばれても、わからない。
Dr.とのやり取りもすることができない。
知的なレベルが下がっているわけではないから、余計に辛かっただろう。

サラリーマンだったけれどそれなりの地位を築き、定年直前は出社する際に
黒塗りの車が毎朝迎えにやって来ていた。

定年後の余生を、ゴルフや水墨画、旅行で楽しもうとしていた矢先のことだった。
自分の思いを伝えられないことのもどかしさに、優しく温厚だった父は
人が変わったように短気で怒りっぽくなった。
もどかしさや、苛立ちの全てがムスメであるワタシに向けられた。

お互いに、甘えあってワガママを抑えられない父とムスメは、
緊張感に満ちた日常を送らざるを得なかった。

逃げ出したい思いを何度抱いたことだろう。
それでも、どこかに旅行に行ったり、ショーを見にいったりすると、
その間だけは、お互いにいくらかは和やかに過ごせたのだった。

シルク・ドゥ・ソレイユ ファシナシオン。
ロボショップ・ドライフォガーから吐き出される多彩なスモークの中で
繰り広げられる、幻想的なサーカス。
アクロバティックなバイシクルズ(自転車乗り)や中国雑伎団なみのコントーション。

漢子には、少し難しかったかも。
んでも、懐かしいような切ないような思いとともに
シルク・ドゥ・ソレイユは、ワタシの中にあるのだった。

1992年盛夏。
太陽のサーカスには、逝ってしまった父との悲喜こもごもが
胸の痛みとともにワタシの中にあるのだった。


あっ!壁の張り替えやさんが来ちゃった。
コレにて御免でございますう。


おまけ

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若いねぇ~。スケジュールの反対側で微笑むお嬢さんたら。

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           ありがとうございましたぁ。

by urankkkao-ji | 2008-11-24 09:47 | 病気の話  

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